冬の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)(登山口へのアクセス・西沢渓谷~徳ちゃん新道ルート情報)
・冬の甲武信ヶ岳の登山ルート、登山口が分かる
・甲武信ヶ岳の危険箇所を把握できる
オススメコース:道の駅三富駐車場~西沢渓谷無料駐車場~(徳ちゃん新道)甲武信ヶ岳
レベル:上級者向け
標高:2475m 歩行時間(休憩なし時):10時間(夏期9時間)
山頂の広さ:普通
電波:全般で圏外、登山口から新道分岐まではdocomoなら時々入ります
車でのアクセス:名古屋から5時間
・甲武信ヶ岳ってどんなところ?
甲武信ヶ岳は地味な山ではありますが、秩父ではアクセスしやすく多くの人が訪れます。
頂上に三角点も祠もないので、一層地味なイメージが強いですが、山頂部は視界が開けて展望が良いです。山頂手前に少し開けた場所があり、そこから見える富士山も魅力です。
歩く時間が長く、似た景色が続くので、初心者向けとはいえませんが、野鳥も多く、自然を楽しみながらゆっくり楽しみたい山です。
西沢渓谷入り口の看板には載っていませんでしたが、甲武信小屋近くにはホシガラスもいました。
泣き声も見た目も特徴的なので、わかりやすいです。北アルプスや八ヶ岳でも良く見かけます。
・登山ルート
道の駅三富(みとみ)駐車場かその先にある西沢渓谷無料駐車場林道終点から登るのが一般的なルートです。
道の駅三富(みとみ)駐車場 から西沢渓谷まではバスも出ていますが、時間が遅めなので、山に登るなら歩いた方がいいでしょう。西沢渓谷の散策に行く方はバスでもok。
登り、下りのルートが 徳ちゃん新道 と近丸新道の2つがありますが、2020年2月現在、 近丸新道は路肩崩落箇所が多く危険です。徳ちゃん新道を利用しましょう。
ルートが長く、冬は凍結するため、チェーンスパイクとアイゼンは持って行きましょう。2020年2月23日に実際に甲武信ヶ岳に登って状況を確認してきました。
道の駅から西沢渓谷の間は看板が多数あり、わかりやすい道です。
西沢渓谷の駐車場前です。パーキングは向って左手、正面が西沢渓谷です。売店や自販機もありましたが、販売中止していたので、夏期しか営業していないようです。この先、車は進入できません。
ゲート前に西沢渓谷は冬期閉鎖の情報が記載されています。
その先に進むと、登山安全の祠とトイレがあります。
登山口への分岐です。右手が近丸新道の登山口、左手が徳ちゃん新道の登山口です。今は近丸新道は崩落が多いので、徳ちゃん新道に向います。
徳ちゃん新道の入り口には登山口の看板があります。
こちらにもトイレがあります。
入り口時点で霜柱が多く、冬であることを感じさせられます。
背が高く細い木が多いので、強風だとかなり揺れます。
2020年は雪が少なく、徳ちゃん新道や近丸新藤を登りきった合流地点である新道分岐から雪が出てきました。雪よりも気温の高さで溶けて凍ってを繰り返して氷結していたのが、非常に危険でした。
樹林帯なので、滑落してもすぐ止まるとはいえ、アイゼンは必須と感じました。
チェーンスパイクも試してみましたが、氷結していると滑るので、やっぱりアイゼンが必須です。
甲武信小屋から山頂までの道は風の吹き溜まりとなり、雪が50cmほどもある箇所もありました。踏み固められていて、スノーシューやワカンが必要なほどではありませんでしたが、雪の少ない2020年でこれなら、例年であればあった方が良いかもしれません。
積雪が多いので、スノーシューかワカンは必須となるでしょう。
稜線上は踏み抜きくとズボットはまるので注意です。
この山でピッケルは必須とはいえませんが、どちらか迷うくらいなら持って行きましょう。
2月中旬で登山口で3度、山頂で氷点下(-5℃)でした。 十分な防寒装備を用意しましょう。風速20mの日に登ったので、樹林帯とは言え風が抜けてきて気温が高いのに寒く感じました。
風が強い日はネックウォーマーは必須です。ハードシェルの実力も普段以上に感じることができました。風を通すアウターでは、辛い山行となるでしょう。
雪山登山ならハードシェルは着用しましょう。
私は-5度くらいなら半そでの上にハードシェル。暑くなったらベンチレーションをあけておきます。休憩時はフリースを着用します。
甲武信ヶ岳では、甲武信小屋でバラクラバとゴーグルを着用し、グローブは防風性のあるソロイストに取り替えました。
ブラックダイヤモンドのソロイストをインナーグローブと重ねると無敵です。
私が甲武信ヶ岳に登ったのは、風速20mの風が吹く晴天の日でした。木賊山付近で開けた場所では飛ばされそうなほどの風が吹き荒れていました。
防風性のあるグローブとアウターは必須です。そもそもこんなに風の強い日は登山に向かないので、皆さんはコンディションが良い日に行くようにしましょう。
登山道については、こちらの動画も参考になります。
・登山口へのアクセス
登山口は 西沢渓谷無料駐車場 か道の駅三富駐車場になります。
・スケジュール例
【日帰りスケジュール】 5:30 道の駅三富(みとみ)駐車場 5:50 西沢渓谷無料駐車場 6:00 徳ちゃん新道登山口 8:30 新道分岐 10:30 木賊山 11:00 甲武信小屋 (休憩30分) 11:40 甲武信ヶ岳 12:20 木賊山 15:00 西沢渓谷無料駐車場 15:30 道の駅三富(みとみ)駐車場
スケジュールは健脚者向けです。体感でかなりの負荷を感じたので、余裕を持ってスケジュールしましょう。個人的に日帰りの八ヶ岳(赤岳)以上の疲労感でした。
徳ちゃん新道から甲武信小屋まで急坂が多く、全体で1300mくらいの標高差があるので、かなり疲れます。道の氷結状況や積雪の多さによっては、さらに時間を取られるので、注意が必要です。
水を少なめに持っていって、甲武信小屋で水を作る作戦もありますが、水作りに時間が取られるので有効ではないと思います。
・甲武信ヶ岳の遭難事例
甲武信ヶ岳は熊の目撃があります。登山時は熊対策をしっかりしましょう。
2019年12月に50代男性が遭難する事件がありました。原因は下山中の沢への滑落でした。実際に歩いて感じたのは、新道分岐の手前(徳ちゃん新道の中盤~終盤)は特にアイスバーンになっていました。その上に雪が積もると、見た目でわからないので特に注意です。
危険箇所はほぼなく、安全な山と言えますが、冬期は凍結する箇所が増えます。
滑落事故は少なからずありますので、アイゼンは必ず持って行きましょう。
・周辺施設
甲武信小屋
営業期間は 営業期間/4月下旬~11月下旬 です。
2020年は4月20頃から営業予定(予約受付1/10~)
ホームページはこちら
記事の参考元はこちら
甲武信小屋
冬期は開放されていません。トイレも使用できませんが、小屋近くは風を避けれるので暖かく感じます。
地元の方に愛される温泉はこちら
水風呂やサウナはありませんが、レトロな雰囲気で露天からは星も見えます。
みとみ笛吹の湯 大人510円
道の駅の近くにはこんにゃく館があります。お時間があれば立ち寄っても良いかも
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