・滑落停止って何?
滑落停止とは?
滑落時に速やかに停止する技術のことです。
多くの場合、仰向けで滑り、勢いをつけて反転し、膝をあげてアイゼンが地面につかないようにすると同時にピッケルを体重をかけて雪面に押し付け停止します。
こちらの動画がわかりやすいです。
膝をあげてアイゼンがつかないようにするのは、速度が乗った状態で急制動をかけると、足の一部分に高負荷がかかり、骨折などの怪我に繋がるからです。
実際にヒップソリ(尻セード)からアイゼンをひっかけて、骨折する人も多いようです。
私自身もうっかりひっかけて、骨折までいかないものの、痛い思いをしたこともあります。
滑落の危険がない場所であれば、このように楽しく滑ることができます。
・実際の滑落ってどんなときに起こる?
これまででご紹介したのは、訓練の滑落停止です。滑落することがわかっていれば、ある程度準備できるので、慣れれば対応できると思います。
ですが、実際の滑落は、バランスを崩したときや、アイスバーンを滑ったとき、足場が崩れたときなど、突発的な事態となります。
そういった場合、訓練のように対応できるでしょうか?
以下の動画は、訓練のものですが、速度が乗る前に体重を乗せて制動できないと、停止できなくなる様子が良く分かると思います。
訓練では怪我をしないように足を上げて停止動作をしますが、実際に滑落したときは、落ちたら死ぬという状況なら足も使ってアイゼンを地面に刺して骨折してでも止まる必要があります。
怪我をしようが、落ちて死ぬよりましだからです。一瞬の判断が命取りになりますので、もしもの心構えはしておいた方が良いです。
足場が崩れるケースは以下のような場合です。
以下は実際に滑落して救助された方の記録です。こうした事故時の状況を共有してくださる方には感謝が絶えません。同様の事故を防ぐために役立てましょう。
私も厳冬期の西穂高岳には登ったことがありますが、独標~ピラミッドピーク、山頂までの稜線は、日によっては、スケートリンクのように凍結し、
アイゼンもピッケルも刺さらず滑ることがあります。
下の画像は昨年撮影したものですが、狭い尾根沿いの道に凍結している箇所がありました。
コンディションを見て引き返すことも一つの技術です。また、凍結した雪面を歩くには、アイゼンの爪をよく研いでおくことも必要です。
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