登山用のレインウェアは必ず必要な登山道具です。
にも関わらず、種類が多くて選ぶのが難しいです。

確かにレインウェアってすごいたくさんの種類があって迷うよね

私もレインウェアを決めるまでは、ずいぶん悩みました。

今回はそんなレインウェアの選び方、おすすめのレインウェアについて、本気で考えてみました。
記事内に登場する登場人物の紹介はこちら
レインウェアは、登山三種の神器の一つ
レインウェアは、登山三種の神器の一つです。
でも何故必要なんでしょうか?
雨が降ることがわかっていたら登山しないし、要らないんじゃないと思っていませんか?
私は登山を始めるときに疑問で仕方なかったです。
ところが始めてみるとその必要性が理解できました。
山の天気は変わりやすく、快晴予報だったのに急な雨があることも少なくないからです。
山では平地の常識はあてはまりません。
意外なことに夏でも雨に濡れることで低体温症になった事例もあります。安全のために必ず用意したい道具です。

晴れていても持ってかないといけないんだね!
それにレインウェアは登山だけでなく、旅行やキャンプ、釣りから普段使いに様々な場面で役に立ちます。

台風中継のリポーターも登山用のレインウェアを使ってることもありますね。
レイウェアは防寒着と兼用にすると無駄が少ない
レインウェアは防寒着と兼用にすると無駄が少なく、荷物も少なくできます。
初心者の方は特に体力に自身がないことが多いので、そういった方でも安心して選べます。
一部耐風性のないレインウェアもありますので、富士山などの高い山に登るときや風が強いときは、夏でも薄いフリースやダウンがあると安心です。
その場合も初心者が選ぶ最初の防寒着は、安いものでいいでしょう。
良い防寒着を選ぶより、レインウェアに予算をつぎ込んだ方が満足度は高いです。
レインウェアに必要な性能
レインウェアに必要な性能に耐水性や透湿性といった言葉を聞いたことがあると思います。
もしこれが何のことかわからないなら、どれくらいの性能があれば登山で使えるのか以下の記事を見てみましょう。
耐水圧って何?
耐水圧
耐水性は上記2つをひっくるめておおざっぱに水にどれくらい強いのかを示した性能になります。
登山に求められる耐水圧性能は、20,000mm以上と言われています。
10000mm以上あれば大雨でも平気と言われているので、嵐に耐えられるレベルと言えます。数値の目安としては、300mm小雨、1000mm雨のようなイメージです。
透湿性って何?
透湿性
透湿性は、レインウェアやテントの性能を示す指標の1つです。
レインウェアと聞くと、雨が侵入してこないレインウェアが良いものをいうイメージを持ちますが、登山のレインウェアというのは、行動をしながら使用することが多いので、夏は汗もかきますし、蒸れます。
そういったレインウェア内部の湿った空気を外に逃がす性能が透湿性と言います。登山に求められる性能は、8,000g以上と呼ばれています。快適さも求めるなら20,000g以上がおすすめです。
登山用レインウェア・ウインドシェル・ハードシェルの違い
レインウェア
レインウェアとして販売されているものです。
当然ながら防水性を重視しています。ある程度風も防げるので、防寒着として兼用するとコスパが良いです。
ウインドシェル
雨を防ぐものではなく、風を防ぐウェアです。
レインウェアより軽いですが、防水性は低いです。
若干の防水性を持つものもあるため、登山ではなくトレイルランニングをする方が利用することが多いです
レインウェアを持っている人が行動の選択肢を増やすためにもつことが大半です。
まだレインウェアを持っていないならまずはレインウェアを買いましょう。
ハードシェル
レインウェアの上位互換のようなイメージで雪山登山に使います。
冬用レインウェアのようなイメージでだいたい合っています。
その名の通り、固い生地で厳しい環境下でも丈夫ですが、夏山で使うには過剰な性能かもしれません。
風も雪も雨も防ぎますが、その分値段は高いし重量もありますので、まずはレインウェアを検討してみましょう。
おすすめの登山用レインウェア
初心者におすすめの人気の登山用レインウェアから選ぶ
初心者におすすめな人気の登山用レインウェアをまとめてみましたので、レインウェア選びに活用してください。
登山に慣れた人ならレインウェアはいくつも持っていることもあります。
防水性が低いが軽いものや防水性が高いが重いものなど、山行の長さや降水の多い地域に行く場合で変えたりします。

ガイドさんはその日の天気で変えるって言ってたよ

初心者の方はいきなり2つもレインウェア要らないですね。どんな場面でも使えるレインウェアを選ぶとおすすめです。
レインウェアは上下揃える必要がありますが、上と下で同じレインウェアで揃えなくても構いません。
予算が許すならどちら性能が高いものをそろえたほうが良いですが、厳しければジャケットだけでも良いものを購入しましょう。
まずは定期的に登山をする方におすすめのモデルを紹介します。
おすすめレインウェアの主要項目比較
メーカー | ファイントラック | モンベル | アークテリクス | ティートンブロス | ノースフェイス |
---|---|---|---|---|---|
商品名 | エバーブレスフォトンジャケット | ストームクルーザージャケット | ベータSLハイブリットジャケット | ツルギライトウィズアクアブレスジャケット | スーパークライムジャケット |
防水性 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ |
蒸れにくさ | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
ベンチレーション | あり | – | – | あり | あり |
快適性 | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ | 〇 |
耐久性 | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ |
重さ | 280g | 254g | 315g | 240g(Mサイズ) | 340(Lサイズ) |
ストレッチ性 | ◎ | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
収納の位置・数 | 左右に2つ | 左右に2つ | 左右に2つ | 胸に1つ | 左右に2つ |
まず始めにここに比較対象としてあげたレインウェアはいずれも多くの登山者に愛されている人気モデルです。
優秀なレインウェアの中で順位をつけるのは非常に悩みました。
まず防水性については、ティートンブロスのツルギライトウィズアクアブレスが耐水圧13000mm以上と登山に必要な耐水圧(20000mm)を若干下回っていること点に注意です。

おしゃれをとるか、防水性をとるか悩みどころなんだね

初心者は防水性をとるべきじゃないかな
安全には代えられないよ
その他はどれも耐水圧は問題ないでしょう。
ベンチレーションというのは、脇の位置にジッパーがあり、服を脱がなくても通気性を調整できる機能です。
これがあると行動中の利便性が凄く上昇するので、私はベンチレーションは絶対必要派なので、特にエバーブレスフォトンジャケットをおすすめしています。
ベンチレーションがあれば、温度調節が容易で、防寒着としても積極利用できるます。つまり初心者が選ぶ最初の1着におすすめです。
ストレッチ性については、ファイントラックのエバーブレスがダントツです。

ストレッチ性が高い=動きやすいということなんですね

大きな岩を乗り越えるときとか、動きやすさは重要ですね
次いでノースフェイスのスーパークライムも評判が良いです。といってもどれもレインウェアにしてはストレッチ性が高いということなので、過度な期待は禁物です。
細かいおすすめポイントはそれぞれ紹介していきます。
通常登山において最強:人気No1のファイントラック:エバーブレスフォトンジャケット
ジャケット:280g
性能を重視するならこれで決まりです。
ストレッチ性がとても高く、ベンチレーションもあって温度調整がしやすいモデル
280gという軽量でありながら、お値段もお手ごろなのも魅力です。
こちらが特に初心者におすすめな理由は、レインウェアだけでなく、防寒・防風ウェアとして併用できることを目指して作られたレインウェアだからです。
選ぶデメリットはレイヤリングの相性が難しいこと
エバーブレスフォトンジャケットにあるベンチレーションは、ファイントラック社はリンクイベントと呼んでいます。
このその効果を最大限引き出すには、下に着る中間着もファイントラックである必要があるというのは難点です。

上の画像で分かるように、ベンチレーションを開けたとき、中間着のベンチレーションも同じ位置にないと、通気性が良くならないのです。
合わせてミッドシェルにあたるフラウラップジャケットも併用すると、より高い耐天候性が得られます。
コスパ重視において最強:モンベル ストームクルーザージャケット
モンベル:ストームクルーザー
ジャケット:257g、パンツ:191g
耐水圧50,000mm以上、透湿性35,000g/m
レインウェアといえばこれです。街で見かけることも多く、スキー場でボードをしている人が着ていることもあります。
その人気の理由は、値段が安いのに性能が高いことです。
デメリットは、人気過ぎて人と被ることです。人気のある定番モデルですので、迷ったらこれで間違いないと思います。
耐水圧50,000mm以上、透湿性35,000g/m と破格の性能にも関わらず、重さも軽いという驚き、レインウェアが何でこんなに高いのかわかる気がしますね。
一般のレインウェアは、耐水圧1000mくらいです。
耐水圧10000mmが大雨レベルを指すそうなので、嵐でも防げる性能ということです。透湿性は、蒸れにくさを指しています。
登山用は、5000g/m以上の性能が必要、8000g/m以上が推奨と言われていますが、大きく超える性能ということがわかります。
タウンユースと山の万能力において最強:アークテリクス ベータSLハイブリットジャケット
アークテリクスのベータSLハイブリットジャケットは、タウンユースで使えるおしゃれさに優れています。
どれくらい凄いかというと、登山を全くしない人もコーデに取り入れることがあるくらいです。
通勤時に着る社会人の人も見かけますね。
しかもこのジャケットは初心者向けの冬期の登山でも使えるので、対応範囲が広いことも魅力です。
何度もアップデートされていて、類似製品との違いが分かりにくいので、以下記事でまとめています。
おしゃれコーデにおいて最強:ティートンブロス ツルギライトウィズアクアブレスジャケット
ツルギライトは斬新なベンチレーションの形がおしゃれで人気を集めています。
落ち着いたアースカラーやシンプルなカラーも多く、男女ともによく選ばれています。
その魅力は見た目だけでなく、透湿性(蒸れにくさ)の高さと軽量さです。
反対に気になる点は、耐水圧がやや低めであることです。
タウンユースのランニングからスピードハイクやトレイルランニング向けのレインウェアと言えます。
昨今のULハイク(軽量登山)の流行にマッチしたレインウェアと言えるでしょう。
クライミングむけにおいて最強:ノースフェイス スーパークライムジャケット
クライミングをするなら、ハーネスを着用していてもポケットに干渉せず、防水透湿性に優れたスーパークライムジャケットがおすすめです。
難点はカラーバリエーションの少なさと重さですが、それが気になる方は少し軽いクライムライトジャケットでも良いでしょう。
【コスパ重視】安い登山用レインウェアを選びたい人はこれ
【コスパ重視】ワークマンのレインウェアは登山に使える?
・性能は二の次、とにかく安いものが欲しい方向け
あまりおすすめしていませんが、
価格重視の方にダントツでおすすめできるものはこちらです。
数年前までは耐水圧が低く、重くて使い物にならないと感じていましたが、現在のワークマンは耐水圧20000mm、透湿性3000を超える高性能なレインウェアを実現できています。
上下で650gとやや重量がありますが、上下でこの値段は魅力です。

私が初めて選んだレインウェアはワークマンでした。
ですが、結果すぐに性能の不足を感じて買い換えた経験があるので、登山用として手放しでおすすめはできません。
もちろん登山メーカーに及ばないものの、お値段以上の性能はありますので、
一度きりの富士登山などにはおすすめできます。
(長く登山を続ける方は、価格は少し上がりますが、登山メーカーの方がおすすめです)
カラーバリエーションが少ないのが難点ですが、とにかく安く、軽い。
ここ数年で急激に性能が上がったワークマンのレインウェアです。私が何年も前に使用していた重くて性能の低いレインウェアよりも安く、性能もかなり上がっています。
ホームページではマリンスポーツや釣り向けでアピールしていますが、アウトドア向けの最低限の性能は持っています。
但し、登山メーカー並みの性能はないので、ご注意ください。
特徴は以下の通り。
・3層構造生地
・ストレッチ
・反射材
・収納袋付き
・上下組
耐水圧 20,000mm とはJISが定めた耐水圧の表記は、10000mmが大雨レベルなので、嵐に近いような状態を耐えるレベルの性能と言えるでしょう。
台風が来ても登るような人でもない限り問題ないほどの性能があります。
一般的に登山のレインウェアは耐水圧20,000mm以上と言われていますから、基準を満たしています。
続いて透湿度 3,000g/m24h というのは、蒸れにくさを指しています。
登山用としては5000g/m以上、8000g/m以上が推奨とされていますので、汗で暑くなるのは耐えねばならないでしょう。ワークマンの商品紹介自体にも以下のような記載があります。
着用される場所の気候変化、環境、または身体温度の変化、発汗によってウェア内のムレ、結露等が発生する場合があります。
ワークマンホームページより
前ジッパーを開けると、換気ができるので、性能を補う工夫がされています。
一般のレインウェアは1000g/mくらいのものが多いように感じます。
商品点数約10000点、作業用品の総合ショップ店舗受取なら送料・手数料無料!
ワークマン

【コスパ重視】ミズノの登山用レインウェアの実力は?
ミズノ:ベルグテックEXストームセイバーVレインスーツ
ジャケット +パンツ 550g( Mサイズ)
100回洗濯しても 水をはじく、耐久撥水加工
■100洗耐久撥水加工
https://item.rakuten.co.jp/kobeya-sp/a2jg4a0112/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_103_0_10000991
■耐水圧30,000mm以上、透湿性約16,000g/m2-24h
■40dナイロンリップストップ3L
■フルシーム
■フード内簡易収納機能
■フードを折り畳んで衿に収納できる仕様
■収納袋付
オンヨネの登山用レインウェア
トレラン・スピードハイク向けのおすすめ登山用レインウェア
透湿性において最強:ノースフェイス FLスーパーヘイズジャケット
ノースフェイスのレインウェアは、ゴアテックス素材よりもさらに透湿性が高い「フューチャーライト」でできているので、スピードハイクやトレランにおいては、最も適した性能を持っています。
防水性は劣りますが、速さを重視する方は以下記事より詳細をご覧ください。
冬の雪山登山まで使えるおすすめの4シーズンレインウェア(ハードシェル)
普通のレインウェアは冬期は使用を推奨されていません。
それはハードシェルと呼ばれる耐久性が高く、耐風性の高いウェアに比べると性能が劣るからです。
ハードシェルは、平均して価格も1.5倍~2倍以上にもなります。
なので初めから4シーズン使えるものを選ぶというのも価格的優位があるので、一考の価値はあります。
但し、冬も使える性能のウェアは、ハイシーズンではオーバースペック気味になり、余計な重さを運ぶことになるというデメリットがあることは認識しておきましょう。
夏冬でウェアを分けた場合 | 夏冬でウェアを併用した場合 | |
価格 | 10万前後 | 6万前後 |
重さ | 必要最小限 | 夏でも冬と同じくらいの重さになる |
耐久性 | それぞれのウェアが均等に消耗していく | 消耗の速さはウェアを分けた場合の2倍 |
夏と冬でレインウェアをハードシェルを1着ずつ持つ場合、価格は5万+6万とか10万前後が目安になります。
その代わり、夏は300g前後のレインウェア、冬は800gのハードシェルを使うというように、必要最低限の重さで登山ができます。
一方で、夏と冬で1着のウェア6万を使った場合、夏も冬も700gのウェアを使うけど、半分の価格で済むというようなイメージです。
ノースフェイスのオールマウンテンジャケットの魅力
合わせて選ぶおすすめのレインウェアパンツはこれ
登山のレインウェアのメンテナンスってどうするの?
レインウェアのお手入れ方法についても気になりますよね。
レインウェアには洗濯が必要です。こまめに選択することで透湿性の低下を抑え、長く使うことができます。レインウェアの種類によっては洗濯できないケースもありますので、製品のタグを確認しましょう。
洗濯 NGの場合はドライクリーニングになるので、クリーニング店への持ち込みになります。だいたいは洗濯できます。
ファスナーは全て閉めて、中性洗剤か専用の洗剤を使いましょう。
化繊、フリース、ゴアテックスに使える洗剤としてニクワックスの評判が良いです。
以下の記事で実際に私が持っているレインウェア、雪山で使うハードシェルを洗濯して、その前後の撥水性能を比較してみました。
メンテナンス手法も大切なことなので、覚えておきましょう。
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冬のレインウェアならハードシェルが必要です。
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