雪山の雪崩対策装備 三種の神器(アバランチビーコン・スコップ・プローブ)とは?

どうも、ヤマノです。スキーを初めて10年以上、登山も5年以上続けています。

雪山の雪崩は、隣山で発生した瞬間を見たことがありますが、その音と迫力に圧倒されます。

今回はそんな大自然の驚異「雪崩」にどう対策すれば良いか考えてみました。

この記事を書いた人

登山歴7年。夏の長期縦走から-10度以下の厳冬期テント泊まで、季節を問わず山を駆けまわっています。

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雪崩対策の必要性

雪崩の危険とは?

雪崩に巻き込まれると、動けず呼吸もできず、死亡リスクが非常に高くなります。

けんた
けんた

起こってから逃げてもダメなのかな?

ヤマノ
ヤマノ

雪崩の速度は、乾いた雪だと最大200km/hにもなるので、まず無理でしょう

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また、雪はとても重いものです。

実際に重さを体感するために、友人に腰まで埋めてもらって検証してみまし。

すると、例え呼吸ができても、腰より下が完全に埋まれば身動きはできませんでした。

倒れた状態で埋まればなおさらです。雪の重さを侮ってはいけないのです。

(雪崩で流れる雪の重さは1㎥あたり、100kgと言われています)

自力脱出はまず無理でしょう

あすか
あすか

雪ってそんなに重たいんだ!?

雪崩について、特に注意が必要なのは、何も知らない初心者と慢心が生まれる経験豊富な上級者です。

遭難事例を見るとわかりますが、雪山の雪崩事故は雪崩の特性を全く知らない初心者か、経験豊富な登山者が多いからです。

本記事をご覧になられる方は初心者が多いと思いますので、専門的な部分は割愛して、ざっくりとした雪崩対策についてご紹介します

専門的な部分は後半でご紹介する参考文献を見て頂けるとより理解が深まるかと思います。

雪崩が発生したらどうしたら良いかというのは、以下の動画がとてもわかりやすくまとまっています。

雪崩対策装備

雪崩に巻き込まれたら15分以内の救助が必須です。

この時間内に捜索をするのに、対策装備が必要なのです。

アバランチビーコン

ビーコンは、雪崩で同行者が埋まったとき、捜索するのに使います。

同時に自分が見つけて貰うのにも、ビーコンの発信を元に探すのでなくてはならない装備です。

具体的な使い方やどういったものを選べばいいかは、以下の記事をご覧ください。

プローブ(ゾンデ)

ビーコンを使っておおよその埋まっている位置は分かりますが、ピンポイントな位置は分かりません。

プローブを使って埋没者の位置を探し当てる必要があるのです。

埋没者を見つけたらプローブを引き抜かず、そのままスコップで掘り出します。

雪の深さを測ったり、視界が悪い時の目印として使うこともあります。

スコップ(スノーショベル)

スコップは埋没者を掘り出すのに使います。スコップなしで手で掘っても間に合いません。

掘る速度を上げるなら、カーブのついたモデルが使いやすいですが、重くて持っていけないでは困るので、重さで選ぶのも1つの方法になります。

自信の体力とスタイルに合わせて選びましょう。

アバランチエアバッグ

雪崩に巻き込まれても雪に埋まらないようにするエアバッグもあります。

高いものですが、命には代えられないので、雪崩リスクが高い地域にどうしても入りたいなら持っておいた方が良いです。

バックカントリーが趣味の方は利用している人も多いですね。

使用頻度が少ないなら、レンタルの活用が有効

雪崩対策の3種の神器を揃えると、どんなに安くても4万は超えるでしょう。

アウトドアギアレンタルですべてセットで1泊2日5000円ほどでレンタルできるので、数回しか登山をしないような方は、レンタルも選択肢に上がります。

今後なんども雪山登山をするなら、購入した方が安いのでご自身の計画と合わせて考えてみましょう。

一度試してみてから購入というのも1つの方法です。

レンタルはこちら

雪崩対策の簡易的な基礎知識

雪質

気温が急激に上がったり、下がることで作られる崩れやすい雪質を弱層と言います。

気温上下の変化を登山前数日からチェックしておくことで、危険性がある程度わかります。
大雪が降った後や、残雪期の溶けたり固まったりを繰り返した雪質は非常に危険です。

発生位置

斜度が35~45度の斜面が最も発生しやすいと言われています。

特に以下のような場所で雪崩が発生しやすいです。

POINT

・尾根沿いに突き出した雪庇の下
・孤立した立ち木の下
・岩壁の下
・飛び出した大きな岩の下

特に尾根沿いで雪庇(せっぴ)が突き出ている地形は、雪が溶けたり、落ちることで雪崩が発生します。

日本の山の雪崩発生位置も、尾根下あたりの表層雪崩が非常に多いです。

特に吹雪がある風が強いときは、雪崩が誘発されやすいようです。

遭難対策には人間心理を理解しておきたい

雪崩を地形によるものだけでなく、人的要因による事故が少なくありません。

いくら正しい知識を持っていても現場で誤った意思決定をしてしまうと十分なリスク回避ができないのです。

心理学的な知識を持っていると冷静な判断を下せるので、学んでおきましょう。

正常性バイアス

正常性バイアスとは、都合の悪い情報を無視してしまうということを指します。

簡単に言うと、ずっと行きたかった山に行く予定が悪天候だから、中止すべきなのに、諦めたくなくて結構したり、登頂を諦めて撤退すべき場面なのに、そのまま突き進んだりすることを指します。

あすか
あすか

やっぱり山が好きだから行きたい気持ちを抑えるのって難しいですよね

けんた
けんた

雪山じゃないけど、大雨でも決行しちゃったりすることあるな。

確証バイアス

先入観に基づいた判断をしてしまうことを確証バイアスと言います。

事前に調べた情報で今日は雪崩が起きない気象のはずだと思い込んでしまうことです。

本来、山の天気は変わりやすいものですから、事前に調べたことが変わることも少なくないので、思い込みは避けるべきです。

異性への認められたい欲求

これは地味によくあるケースだと思います。

同じ登山パーティ内に男女が混じる場合、特に男性は、いいところを見せようとして、リスク許容度が高くなりがちになります。

パーティリーダは内部の人間関係を把握して注意しておく必要があります。

凄い人への依存

プロガイドや経験豊富な登山者と登るとき、その人の言うことを盲目的に信じてしまうことは危険です。

というのも、ここまで記載した心理的要因が働くからです。

経験豊富な人ほど、この正常性バイアスや確証バイアスは強くなりがちなので、技術があるのに正常な判断が下せなくなることがあるからです。

具体的な例に、学生登山で経験豊富な教師が引率していても避けられなかった雪崩事故があります。

特定の人物を批判する目的ではなく、どう避けるべきかを考える教材として見るべき事例だと思います。

これらの心理的な要因は、きちんとパーティ内で方針を相談し、急な計画変更を避ければリスク回避ができます。

人間関係って難しいですが、それは登山だけではなく、様々な場面で活きてくるので、意識しておきたいですね。

この記事を書くにあたって読み返した本

本記事では、雪崩対策の導入部分についてまとめましたが、より本格的な気象分析や、弱層の見つけ方、行動のリスクマネジメントまでは割愛しています。

これらの内容は、長きにわたり評価を受けている専門書で学んだ方が良いでしょう。以下の書籍は雪崩に対する理解を深めてくれるので、ぜひ読んでみてください。

雪崩リスク軽減のための手引き

日本雪崩ネットワークで雪崩対策の講座で購入必須とされる書籍です。

専門的な内容を噛み砕いて説明されていて、とてもわかりやすいです。

初めて雪崩対策について学ぶなら、おすすめの一冊です。

山岳雪崩大全

気象条件の確認から道具の使い方、医学、日本の山岳地帯で雪崩が発生しやすい場所など、細かに記載されていて、深い知識が身に着けられます。

雪崩リスク軽減のための手引きの後に読みたい本です。

雪崩リスクマネジメント

スノーモービルやスキー・スノーボード・クライマーなど、アクティビティ別に、雪崩に対してどのように対策すべきかという基本的な考え方が学べます。

イラストや図が豊富で、イメージがしやすい書籍です。

注意点として海外の書籍を翻訳したものなので、地形や気象も日本に合わせたものではありません。

読む際には日本の場合はどうだろうと考えながら読むようにしましょう。


雪崩対策以外の装備もきちんと準備しましょう。

 

雪崩以外の遭難事故の対策についての見直しは下記をご覧ください。


 

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